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大学卒業後、総合商社に入社。コンサルティング会社副社長を経て2014年クラダシの前身グラウクス創業、2015年「KURADASHI」のサービスを始める。
環境省「第6回グッドライフアワード」、環境大臣賞「ソーシャルプロダクツ・アワード2017」優秀賞、「第3回日本サービス大賞 農林水産大臣賞受賞」など。
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プロフィール、団体の紹介

私たちは、社名と同じ「KURADASHI」というサイトの運営をしています。「もったいないを価値へ」というスローガンを掲げ、 メーカーさんなどの蔵に眠っていた、従来であれば廃棄されていた食品を買い取り、「KURADASHI」のサイトを通じて一般の消費者の方々に販売しています。

特徴的な点としては、売上の一部を様々な活動をされている社会貢献団体に届けていることです。フードロスに限らず、環境問題、人権問題など19の団体を支援先として設定し、 消費者が買い物をするときにどの団体に寄付するかを選択していただきます。

「KURADASHI」で買い物をするだけで、直接的にフードロスの削減に貢献できることに加えて、 同時にご自身の興味関心の強い団体に寄付することもできるという仕組みになっています。事業としては2014年の創業以来、順調に成長し2期目から黒字で経営を続けることができています。

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「KURADASHI」立ち上げのきっかけ

「KURADASHI」の事業を立ち上げたきっかけは大きく二つあります。一つは、阪神淡路大震災です。震災発生当時、大学4年生で大阪の豊中に住んでいました。 あと3ヶ月後には就職というタイミングで震災が起こり、テレビで地震のニュースを見ていても立ってもいられず気がつくと私はバックパックに救援物資を詰めて、 40キロ先の震源地に向かって走っていました。一人で現地に向かって、できる限りのことをしようとしましたが結局一人でできることには限界があると実感し、 事業として仕組みを作って世の中の課題解決をして行こうと考えたのが、創業の原点になっています。

もう一つは、新卒で総合商社に入社し、中国に駐在しているときのこと。そこで色々と見聞きしているうちに、食べられるにもかかわらず大量に廃棄されている食料があるという事実を知りました。 例えば、日本のコンビニでよく目にするチキン。世界一厳しいと言われている日本企業の指示書では、定められた大きさから±5%を超える場合、即廃棄しなければならないというようなルールがありました。

他にも、子持ちししゃもを仕入れたつもりがオスで、食べられるにもかかわらずコンテナ単位のししゃもを廃棄するといった実態も目の当たりにしました。 これはいずれ大きな環境問題・社会問題になると強く感じましたね。

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フードロス削減への大きな壁

「3分の1ルール」によって上流の部分でフードロスが出ることによって、メーカーや商社側も多くの在庫を抱えることになります。 簡単に言うと、IT化が進んでいる中で余剰在庫だけが置いてけぼりになっている状況なのです。

在庫を処分するためにはディスカウントする、ファミリーセールと言われるクローズド・マーケットで販売するなどの手も考えられますが、 メーカー側からするとできるだけしたくないと言うのが本音かと思います。ブランドイメージの毀損や価格下落につながる可能性があると考えるからです。

その点では、「KURADASHI」に商品を渡すことで、余剰在庫を減らしながら、かつ社会貢献にもつながるため、 メーカー側にも納得感のあるビジネス設計にできているのではないかと思います。
※3分の1ルールとは:食品の製造日から賞味期限までの期間を3等分して、納品期限・販売期限を設けるというもの

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タイミングと地道さが鍵

2014年の設立当時は、ベンチャー企業ということもあり、メーカーさんにはあまり相手にされませんでした。 在庫商品はメーカーにとっては機密情報なのでそれを外部に渡して商取引をすると言うこと自体が一つの障壁だったのです。 なかなか苦戦したのですが、「絶対にこの事業はうまくいく」と信じて、何百社も一人でテレアポしてラブコールを送り続けるということをしました。

2015年2月にサイトのオープンに合わせてプレスリリースを打ったことをきっかけに、取材や企業とのやり取りが増えました。 ある業界の中で一つの企業が参入してくれれば、他の企業も取引に応じてくれるようになっていきました。

もともと、私がフードロスについて考え始めたのは1998年だったのですが、その2年後にMDGs(ミレニアム開発目標:Millennium Development Goals)が発表され、社会課題に向かおうとする機運は世界的に高まりつつありました。 その後、ここ数年でSDGsへの注目度が上がりフードロスへの注目も上がりましたが、こうなるのは時間の問題かなと考えていました。 ベンチャー企業かつソーシャルビジネスでやっていくためには、どの社会問題をどのタイミングで手掛けるのか見極めることも重要なのではないかと思います。

「もったいないを価値へ」を広げるために

今年度から人員を増やして事業の拡大に挑んでいます。昨年10月に食品ロス削減推進法が施行され、 また新型コロナウィルスによって結果的に世の中の「食品ロス」に対する注目が高まり、企業様からの弊社へのご相談も増えているためです。

しかしながら、日本には数十万社の食品関連企業があると言われており、まだまだ弊社の取り組みをご存じの企業様は限られているのが現状です。 消費者も含めより方々に知ってもらい応援してもらえるようなサービスにすべく、努力を重ねていきたいと考えています。

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今後の目標

今後の目標としてはまず、フードロスを一番なくす会社を目指したいです。SDGsで定められている「2030年にフードロスを半減する」という目標に向かって、10年間ひたすら走ります。 もう一つの取り組みとして、現在「クラダシチャレンジ」という社会貢献型インターンシップを始めています。地方では人口減少による人手不足で、農家における収穫残が出始めています。

そこで、社会課題に関心の強い学生たちに向けて、KURADASHIの基金を活用して渡航費や滞在費を負担することで、社会貢献しながら地方自治体の課題を学ぶ場を提供するというものです。 先日も、小豆島のオリーブ収穫に大学生六人が行ったり、11月末には高知県の柚子収穫に行ったりとすでに動き始めているプログラムです。今後は学生のみならず、 定年後のシニアの方向けにもプログラムを企画するなど幅を広げていこうと考えています。

実は「KURADASHI」や「クラダシチャレンジ」のほかにも、社会課題解決をテーマにした事業の種はたくさん取り組み始めています。 より多くの人が気軽に社会貢献に取り組むことのできるよう事業という形で、持続性を持った仕組みを創り出していきたいです。

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