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【開催報告】GREEN×GLOBE Partners
一般社団法人社会デザイン・ビジネスラボ共催ワークショップ
 サーキュラーエコノミーの新規事業検討会

2022年12月1日、三井住友フィナンシャルグループ GREEN×GLOBE Partners、三井住友銀行、株式会社JSOL、一般社団法人社会デザイン・ビジネスラボの共同主催でワークショップ「サーキュラーエコノミーの新規事業検討会」を開催しました。

当日はオンラインでの開催ではありましたが、オンラインホワイトボードアプリ“Miro”を用いて活発にアイデアを共有する、有意義なイベントとなりました。

主催者挨拶・オリエンテーション

はじめに三井住友フィナンシャルグループ GREEN×GLOBE Partners事務局の山北絵美氏、一般社団法人社会デザイン・ビジネスラボ(以下、SDBL)事務局長の三尾幸司氏より、参加者に向けて挨拶がありました。

講演

ワークショップに先立ち、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を実践している2つの団体から、実際の取り組みについてご紹介いただきました。

講演1 バイオガス発電事業 〜異業種からの参入〜
東和エネルギーソリューション株式会社 ソリューション営業推進部 細谷 朱里氏

東和エネルギーソリューション株式会社の親会社は、建築資材を製造・販売する東和アークスです。
以前は東和アークスの一部門として太陽光発電などの再エネ事業に取り組んでいましたが、再エネに対して一層責任を持った運営をするために2018年に子会社となりました。

現在は、水上太陽光パネル発電やバイオガス発電が事業の中心となっており、特にバイオガス発電に力を入れています。

バイオガス発電所はエネルギーを作り出す発電施設であるだけでなく、廃棄物処理施設という一面も持っています。東和エネルギーソリューション株式会社では、地域で発生する食品残渣を原料とすることで地域の非常用電源という付加価値を高めました。

木材を用いるバイオマス発電とは異なり、バイオガス発電は有機性廃棄物を用いて発電するため、より環境に負荷のない発電方法だと言われています。

さらに、脱炭素の観点においてもバイオガス発電が注目を集めています。
バイオガスで食品廃棄物を処理する過程では化石燃料を使わないため、一般的な焼却施設よりCO2排出量を大幅に抑えることができます。

昨今、脱炭素への関心が高い企業も増加し、バイオガス発電所を食品工場の敷地内に造設するという提案についても以前より興味を持って聞いていただける機会が増えています。

今後、東和エネルギーソリューション株式会社では、バイオガス発電所を核としながら多くの企業とのコラボも企画中です。 地域の活性化につなげられる企業活動を目指してまいります。

講演2 株式会社fabula
“100%食品廃棄物で作る新素材”の研究開発・製造・販売・回収を行います“
fabula株式会社代表取締役CEO 町田 紘太氏

fabula株式会社は、食品廃棄物のみで作る新素材の研究開発・販売・回収を行うスタートアップ企業です。

一般的に建造物を作る際はコンクリートを用いますが、コンクリートの原料であるセメントや砂、砂利は枯渇に瀕しています。
さらに使用後のコンクリートは、現在事実上ほとんどリサイクルされておらず、持続可能な素材とは言えません。
また、食品廃棄物は焼却や肥料化、飼料化といった多様な処分方法があるにも関わらず、どの処理方法においてもCO2排出やコスト面においてデメリットがあります。

そこで、私たちは食品廃棄物を乾燥・粉砕後、熱圧縮成形を行い、新素材を作る技術を開発しました。
この技術により、コンクリートの使用量を減らすと同時に、食品廃棄物から付加価値を高めた処理が可能となります。

原料にもよりますが、コンクリートと比較した際に4倍以上の強度となる新素材もあります。 作った素材は土に還るだけでなく、粉砕して再成形が出来ます。薬剤などを混ぜていないため、緊急時に食用とすることも理論上可能です。

現在は、新素材を用いた食器やコースター、スツールの販売、企業とコラボしたオリジナルノベルティも制作。

2025年の大阪・関西万博では、この新素材を用いた建築物も予定されています。

講演を受けて、参加者からは「バイオガス発電について具体的に知ることができ、エコであることをより実感できた」「食品廃棄物から建材を生み出せるということに驚愕した」などの感想が聞かれ、参加者それぞれに学びを得た様子でした。

サーキュラーエコノミーの実践例を素地としながら、ワークショップに移りました。

ワークショップのツールとして、オンラインホワイトボードアプリ“Miro”を用いています。
参加者からも「Miroの活用はアイデア創出フェーズにおいて有効だった」という声が聞かれました。

Miroは頭の中のアイデアを可視化し、より深める一助となったと感じています。

アイデア共有

ワークショップで参加者それぞれがアイデアを打ち出した後、グループに分かれてアイデア共有を行いました。

アイデア共有でも引き続きMiroを使用することで、オンラインでもグループメンバー同士のやりとりをリアルタイムで形にすることができる、という利点がありました。

講演で紹介された2件の実例に食品廃棄物の有効活用という共通項があったことで、多くのグループで食品廃棄物やフードロス削減といった観点でのアイデアが多く見受けられました。

フードロス削減という目的は同じでも、地域のスポーツチームとコラボレーションする、家庭用コンポストの普及と飼料ニーズのマッチングシステムの構築など、グループによってさまざまなアイデアが出ています。

また、ほとんどのグループがサーキュラーエコノミーの普及には消費者をポジティブに巻き込むことが重要である、という考えを持っていました。
その中でも消費者へのアプローチ方法については、「アイドルなどのエンターテイメントと組み合わせる」「エコについて新しい指標を作り、消費者に対して価値観の変革を前向きに促す」などのアイデアが挙がりました。

アイデア共有を通して、循環型経済のビジネスモデルにはマネタイズ化などの課題があると、改めて参加者同士が認識する機会となったようです。

特にワークショップ及びアイデア共有が、参加者それぞれのサーキュラーエコノミーへの思考を深めるきっかけとなった様子でした。

総評

最後にGREEN×GLOBE Partners山北氏に総評をいただきました。
山北氏「幅広い業種の方から参加していただいたことで、ビジネスアイデアのバラエティも豊かになったと感じています。サステナブル事業自体の発展はもちろんですが、GREEN×GLOBE Partnersではパートナー企業同士のつながりを重視しています。今回のイベントが新しいつながりのきっかけになれば幸いです」

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