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table sourceより
食品を捨てずに活用する方法を考える
ワークショップ開催【イベントレポ】

ニッコー株式会社が運営する、飲食店のサステナビリティを支援するウェブマガジン「table source」へ2023年1月30日に開催されました一般社団法人 社会デザイン・ビジネスラボ主催(共催:株式会社JSOL、fabula株式会社、株式会社コル(UP FOOD PROJECT))、「食品を捨てずに活用する方法を考える ~Re Born Food Project~」のイベントレポートが掲載されましたのでご紹介いたします。

食品ロスを考えるワークショップが開催

2023年1月30日「食品を捨てずに活用する方法を考える〜Re Born Food Project〜」と題し、食品ロスを考えるワークショップが開催された。
食品ロスの活用技術を持つ企業や、活用を検討する食品関連企業、また食品廃棄に対して課題を持つさまざまな人が集い、食品のアップサイクルについて意見交換を行う場だ。

ワークショップを主催するのは、個人と企業と社会をつなぎ、社会課題解決と新規ビジネスを創出することを目指す「一般社団法人社会デザイン・ビジネスラボ」。
共催として、「株式会社JSOL」、「fabula株式会社」「株式会社コル」が参画している。

ワークショップ当日、東京都渋谷区の会場「hoops link tokyo」には、企業担当者だけでなく、事業者、技術者、教育者、学生、などさまざまな人たちが集まった。なかには赤ちゃんを連れた参加者も。
和やかな雰囲気のなか、まずは一般社団法人社会デザイン・ビジネスラボ事務局の土井氏のナビゲートで、会の流れの説明が行われた。

食品アップサイクルの最新の事例を知る

続いての「フードロスへの取り組み紹介」では「fabula株式会社」代表の町田氏より、同社の手掛ける「100%食品廃棄物から作る新素材」が紹介された。このユニークな新素材は、規格外野菜や加工工程で出てしまう皮やかすなどの⾷品廃棄物を乾燥させ、粉末状にし、⾦型に⼊れて熱圧縮してつくられる。接着剤や凝固剤も使っておらず100%天然由来のため生分解も可能で、壊れた場合でも再び同じ工程で作り直すことができる。加工の際の調整次第では、原料本来の色や香りを残すこともできるという。

さらに、原材料となる食材によっては建材にもなりうるほどの強度のある素材を作ることも可能だ。例えば、⽩菜の廃棄物で作った素材は、コンクリートの曲げ強度の約4倍もの強度がある。今後は、食品以外のものを使用していないという特徴を活かし、「⾷べる」ことも視野に⼊れた研究を進めていくという。

次の取り組み紹介では、30社のパートナー企業と共に未利用資源のバリューチェーン構築に取り組む「株式会社コル」代表の福元氏より、「UP FOOD PROJECT」の紹介が行われた。同プロジェクトでは、「アップサイクルで食を持続可能にUPdateする」というミッションを共有するパートナーとともに、未利用資源に秘められた価値の発掘・価値の付加・最適なマッチングによって未利用資源のバリューチェーン構築を目指している。先に登壇したfabula株式会社も、UP FOOD PROJECTのパートナーのひとつだ。

今回のイベントでは、数ある取り組みのなかから、未利用クラゲから抽出したコラーゲン粉末・液体を使ったアップサイクル商品の開発や、「カスカラ」と呼ばれるコーヒー果皮を粉末にしたアップサイクル食品やメニュー開発などを紹介。こうしたUP FOOD PROJECT の取り組みは、循環型経済をデザインするプロジェクトやアイデアを世界から募集するアワード「crQlr Awards(サーキュラー・アワード)2022」で、「Best Bridge Builder Prize (ベストな橋渡し役賞)」と「MMHG Upcycle Prize(MMHG アップサイクル賞)」を受賞しているという。

それぞれの参加者の視点から、アイデアを出し合う

続いてのワークショップは、チームに分かれスタート。
チームメンバーでアイデアや意見を出し合いながら、段階を踏みつつ進めていく。
「食品廃棄再利用の市場浸透における課題」「食品廃棄再利用の市場浸透に対してのアイデア出しおよび共有」と進めていくなかで、不明な点があれば各チームに加わっている運営スタッフに気軽に質問することができるため、スムーズに取り組むことができる。
「チームメンバーの全員が初対面」という参加者も多いなか、自己紹介を交えつつ和やかな雰囲気で意見交換やアイデア出しが行われた。

参加者からは「自分とは全く違う業種の人たちから出てくるアイデアがとても新鮮でした。」という感想をはじめ、「参加する前は、『ちゃんとしたアイデアや意見を言えるだろうか』『他の参加者に比べて知識不足なのでは』と不安な気持ちもありましたが、皆さんがお互いのアイデアに向き合い、意見を膨らませたり新たなアイデアのきっかけとして捉えたり、とても有意義なワークショップだったと思います。遠方から来た甲斐がありました。」「企業の担当者として参加しましたが、登壇者の方々をはじめ会場全体の雰囲気が和やかだったこともあり素直に『楽しい時間だったな』と思えるイベントでした。ワークショップで出たアイデアは社内で共有し、新たな施策の立案に活かしたいです。」といった意見も。

ワークショップ後半には、一般社団法人社会デザイン・ビジネスラボ法人会員でもある「株式会社JSOL」の新規事業検討プロジェクト「Re Born Food Project」のフ―ドロス解決案についての説明と意見交換も行われた。食品廃棄物の処理に悩まされる食品関連企業に対し豊富なアップサイクル型手法によるアプローチで、企業のフードロス問題解決を支援するプロジェクト。
食品のアップサイクルについては画一的な技術が存在せず、原料となる食品素材によりその活用方法が異なるといった特徴がある。同社はアップサイクルの市場への啓蒙を行いながら、食品関連企業とともにアップサイクルの取組を促進するよう支援を行っている。

イベントでは、いしはらこはる氏による文字やイラストを使ったリアルタイムでの記録「グラレコ(グラフィックレコーディング)」も行われ、ワークショップ後には、撮影のため作品の前に多くの参加者が集まっていた。
活発に意見が飛び交いつつ、終始和やかな雰囲気のなか行われた今回のイベント。
消費者の危機意識が日々高まる「食品ロス」の解決について、個々での取り組みだけでは、アイデアの幅や取り組みの規模にも限界がある。
こうしたイベントへの参加は、知識やヒントを得るだけでなく、共にサステナビリティの実現を目指すパートナーも見つけるきっかけにもなりそうだ。

転載元

table source(テーブルソース)

サステナブルな飲食店・ホテルづくりを支援するウェブメディア。
1908年の創業以来、100年以上にわたって陶磁器を中心とするものづくりを通じて飲食店やホテルの皆さまと歩みを共にしてきたニッコー株式会社が運営しています。

table source:https://www.table-source.jp/
ニッコー株式会社:https://www.nikko-company.co.jp/

『フードロス解決』プロジェクト

https://sd-bl.net/project/project-1485/

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