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【開催報告】『循環型ビジネスの共創コミュニティ』
第3回「サーキュラーソサイエティへのファーストステップ」

一般社団法人社会デザイン・ビジネスラボ(以下、SDBL)は、法人パートナー企業である株式会社ユニソン、株式会社JSOLとの協働プロジェクトとして、『循環型ビジネスの共創コミュニティ』を東海エリアで立ち上げ、2023年7月にキックオフミーティングを開催いたしました。

また、2023年11月にはCEの実装と市民のウェルビーイングを目指し「サーキュラーシティ蒲郡」を表明している愛知県蒲郡市をコミュニティメンバーと共に訪れ、循環型のモノづくりを進めている企業の訪問や、蒲郡市の活動状況を推進担当者から学ぶ現地体験ツアーを開催いたしました。

そしてこのたび2024年7月23日に、株式会社ユニソンのコミュニティスペースWAVE千早におきまして、第3回「サーキュラーソサイエティへのファーストステップ」を開催いたしましたので、ここに報告します。

今回は、循環型社会形成に向けた具体的な一歩を進めるために、CE推進のミッションを持った人が集ってアイデアを出し合い、プロトタイピングを進めるためのチーム形成までをゴールとした新たな出会いとつながりを生む場となるよう企図いたしました。
循環型の共創に相応しい方々が20名ほどお集まりになり、下記の通りにプログラムを進めました。

14:00   イントロダクション(主旨説明・プログラムのご紹介)
14:15   ゲストトーク(事例紹介)①
「三井屋工業の「MPS」から考えるサーキュラーエコノミー」
14:55     ゲストトーク(事例紹介)②
「津田硝子のサーキュラーエコノミーへの取り組み」
15:50     グループワーク
17:45     クロージング
18:00     閉会

4時間と長丁場でしたが、ゲストの方々の大変興味深い事例紹介と、参加者の皆さんが積極的に取り組まれるグループワークのおかげで、あっというまに終わりを迎えるほど熱く有意義な場となりました。

以下、順を追ってご紹介します。

イントロダクション

SDBLフェローの七島さんより、SDBLの紹介やキックオフイベント、第2回の蒲郡フィールドワークについて簡潔に紹介いたしました。
続いてユニソンの増渕さんより、循環型ビジネスの共創コミュニティが目指すもの、今日のイベントの主旨や内容についてご説明したのち、七島さんの進行によりイベントを開始しました。

ゲストトーク①
三井屋工業の「MPS」から考えるサーキュラーエコノミー

三井屋工業株式会社様が属するセレンディップグループの統括会社であるセレンディップ・ホールディングス株式会社 矢田睦美さんより、三井屋工業様のサーキュラーエコノミーへの取り組みについて30分ほどプレゼンテーション頂き、その後10分ほど質疑応答の時間を設けました。

矢田さんのプレゼンは、ご自身の自己紹介から始まり、セレンディップ・ホールディングスおよびグループのご紹介、そして三井屋工業様のご紹介へと話が進みました。 三井屋工業様は2024年の愛知県環境賞 優秀賞を受賞されており、環境対応に積極的に取り組まれている企業であることを先ず認識しました。

そしてMPSのお話に入ります。 M みんな、P プラスチック、S すてないで という廃棄プラスチックのリサイクル活動を指す社内用語とのことですが、正式名はMitsuiya (material) Pelletize System というご説明もありました。 製造段階でマテリアルリサイクルを推進することで、製造時のCO2排出量も削減が出来ているというご報告があり、資源循環と脱炭素の両立を実現されている素晴らしいお取り組みです。

米沢市にスマートファクトリーを設立され、生産性向上とC02排出量の削減の両立を目指される中で、CO2排出量の見える化についての様々なお取り組みについてもご紹介いただき、三井屋工業様が愛知環境賞 優秀賞を受賞されたその理由を窺い知ることが出来る、貴重な事例紹介のプレゼンテーションでした。

ゲストトーク②
津田硝子のサーキュラーエコノミーへの取り組み

2社目の事例紹介は、名古屋市天白区の津田硝子株式会社 代表取締役の津田慎介さんと、奥様の暁美さんのお2人によるプレゼンテーションです。 各々の自己紹介や簡単な馴れ初めまでお話いただくところからスタートし、津田硝子様の企業紹介、そして昨年3代目として事業承継された経緯などへと話が進みます。

続いてサーキュラーに繋がる事業承継前のエピソードのご紹介や、津田硝子様の現状の課題についても熱く語って頂きましたが、ちょいちょい奥様(ガラス屋のヨメと自己紹介)が合いの手を入れられるので、聞いている私たちはリラックスして楽しく拝聴できました。 ガラスだけでなく建築資材の循環や古民家・空き家活用などにも取り組んでいるうちに、これってサーキュラーエコノミーって言うのだと気づかれたとのこと。 「あとを継いだらサーキュラーだった!」という言葉が一番印象的でした。 あとつぎ故の難しさ(当初はフルボッコだったとお話しされました)を感じながら立ち上げを進められたgl+というアップサイクルブランドのお話に移りながら、使われずに新品のまま捨てられてしまう窓ガラスを別の建物に活用する取り組みにも今後はチャレンジされるという大きなビジョンについても語って頂きました。

様々な事業者さんや大学とも積極的にコラボされている活動実績に続き、最後に9月にオープン予定のラボについてもご紹介頂いて、熱く楽しいプレゼンテーションを締め括られました。質問もたくさん出る中で、参加者さんよりこういう事が出来るのではというアドバイスも出て、質疑応答の時間がとても充実していたのが印象的でした。

グループワーク

同じような課題意識を持つ参加者同士でワークが出来るよう、最初にマグネットテーブルという手法を使ってワークのグルーピングを行いました。 A4用紙に自分の感じている課題を簡潔な文章、あるいは端的なワードで書き、それを胸に掲げて歩きながら他の方の書いた課題を読んでいきます。

全員の課題を読み終わった頃合いでピンときた方々同士で徐々にグループを形成していくのですが、驚くほどスムーズに5つのグループが出来上がり、グループごとに下記のような流れでグループディスカッションを始めました。

  • 自己紹介とゲストトークの感想共有
  • 課題と出来ること(技術、リソース、ネットワークなど)の共有
  • 取り組めそうな課題の抽出とアクション検討

課題意識を持って参加頂いた方々ですので、どのグループにおいても活発にディスカッションが進みました。 グループワークの最後には各グループからの発表を予めお願いしてありましたが、皆さん発表のために無理にまとめるのではなく自由にディスカッションされておりました。

次への具体的なアクションにまで進むグループが一つでもあって欲しいと運営サイドは期待しておりましたが、イベント(マルシェ)に共同出店するためマルシェをリサーチに行くとか、意識を変える取り組みとしてゴミと言わず資源と言おうといった言葉から変えていくキャンペーンを行うなど、実際に具体的なプランがいくつか発表されました。 これは参加された皆さんが課題とその解決を自分ごととして捉え、限られた時間の中で有意義な対話を重ねて頂いた成果と強く感じた次第です。

クロージング

最後に増渕さんから、今回のつながりの継続や、小さくてもいいから一緒に一歩を踏み出すことが重要とお伝えしました。 また名古屋でサーキュラーやサステナビリティに取り組んでいらっしゃるFabCafe NagoyaさんのcrQlrサロンや、株式会社オカムラさんのCueでの活動についてもご紹介し、10月に富山で開催の「社会デザイン・ビジネス研究フォーラム 2024」のご案内もさせて頂きました。

そして最後は参加者の皆さんで記念写真を撮ってイベントを締め括りました。

結び

多様な方々に参加いただき、登壇者様からの他では聴くことの出来ない貴重な取り組み事例を聞き、課題と解決策を自分ごととして考え、小さくても次へのアクションにつなげて頂くよき機会になったと考えます。

我々は、「つながり」が社会課題解決のための着実な一歩となり、サーキュラーエコノミーの生態系実現への一番の近道になると考え “循環型ビジネスの共創コミュニティ”の運営を軸に、このエリアでの実践的なサーキュラーエコノミー活動に貢献したいと考えており、今後も本活動を推進して参ります。

【イベント概要】

日時:  7月23日(火) 14:00~18:00
会場:  株式会社ユニソン
コミュニティスペースWAVE千早
主催:  一般社団法人 社会デザイン・ビジネスラボ
共催:  株式会社ユニソン、一般社団法人つなえん、 株式会社JSOL

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