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【開催報告】第10回社会デザイン・ビジネスラボ×MIRAI LAB PALETTE共同開催トークセッション
~愛着の物語で読み解くウェルビーイング~

一般社団法人 社会デザイン・ビジネスラボは、住友商事株式会社が運営する多様な分野のパートナーと新たな価値の創造に向けたコラボレーションを推進するメンバー制のオープンイノベーションラボ「MIRAI LAB PALETTE(ミライラボ パレット)」と連携し、2023年7月より定期的にトークセッションを行っており、今回で10回目を迎えることができた。
2月3日に開催された社会デザイン・ビジネスラボ×MIRAI LAB PALETTE共同開催トークセッションでは、社会デザイン・ビジネスラボ(SDBL)の理事 梅本龍夫氏とSDBLアドバイザー 彌重功氏が、
「愛着の物語で読み解くウェルビーイング」をテーマに登壇した。
登壇者の経験や事例をもとに、住まい・地域・ブランドの愛着形成とウェルビーイングの関係について語った。ネットワーキングでは、ビジネスや社会活動への活用を見据えた意見交換が積極的に行われた。
講演内容
積水ハウス(株) 総合住宅研究所 シニア・スペシャリスト
彌重 功 氏
住まいへの愛着がウェルビーイングにつながるという視点から講演。
「我が家」を世界一幸せな場所にするという目標を掲げ、ハード、ソフト、サービスを提供し、研究を進めている 。
幸福度と愛着には相関関係があることを示し、ライフスタイル共感型モデルハウスの事例を紹介した。住体験を振り返ることが愛着に気づくヒントになると述べ、顧客への住まいの提案の形で具現化できることを説明した。
(有)アイグラム代表取締役
梅本 龍夫 氏
スターバックスはコーヒーを媒体として「体験」を提供しており、顧客が「来た時より帰る時の方が少しだけ気分が上がっている」状態を目指していると説明 した。
物語の重要性を強調し、感情を込めて語ることの重要性を説いた。地域や歴史との繋がりが、グローバルチェーンであっても地域住民からの愛着を得るためのヒントになること説明した。

トークセッション
トークセッション部門では、一般社団法人社会デザイン・ビジネスラボ(SDBL)常務理事町野 弘明 氏がファシリテーターを務め、彌重氏、梅本氏、町野氏の3者のインタビュー形式で行われた。
愛着は主観的なものであり、押し付けるものではなく、物語、地域との繋がり、個人の経験などが愛着を育む要素となる 。
愛着をビジネスに応用する際には、顧客の感情を尊重し、物語を共有することが重要である。
ウェルビーイングを高めるためには、自分らしい暮らしを追求し、愛着を持てる要素を大切にすることが重要である。
交流会
今回の議論では、「愛着」「物語」「ウェルビーイング」といったテーマに対する参加者の関心が非常に高く、熱心な意見交換が行われた。体験を通じて、具体的な生活シーンをイメージしながら、愛着の湧く空間とは何かについて活発に議論が交わされた。
また、ブランドと顧客の感情的なつながりについて多くの共感が集まり、その影響力やビジネスへの応用について深く考える機会となった。一方で、被災地の事例では、地域コミュニティの重要性や、失われた愛着をどのように再生できるのかが議論され、人と地域のつながりが持つ力について改めて認識される場面もあった。
イベント全体を通じて、終始リラックスした雰囲気の中で自由な意見交換が行われ、有意義な時間となった。

さいごに
個人の経験や価値観に根ざした愛着は、豊かな人生を送る上で欠かせないものである。
また、住まい・地域・ブランド・コミュニティに対する愛着は、ビジネスでも成功につながる。
「愛着」が個人の幸福だけでなく、ビジネスの発展にも深く関わっていることが再確認された。