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【開催報告】食×農通信 まめとひと Vol.1 開催レポート
豆腐マイスター工藤詩織さんと味わう、大豆の”いま”と”これから”

私たち社会デザイン・ビジネスラボでは、「食」と「農」を起点に、人と地域、都市と生産地をつなぐ新たな対話の場づくりに取り組んでいます。その一環として運営するメディア SOY Mag. にて、2026年2月に開催したイベント「食×農通信 まめとひと Vol.1」の開催レポートが公開されました。


豆腐マイスター工藤詩織さんと味わう、大豆の”いま”と”これから”

2026年2月20日(金)の夜、3×3 Lab Future(東京・大手町) にて「豆腐マイスター工藤詩織さんと味わう、大豆の”いま”と”これから”|食×農通信 まめとひと Vol.1」を開催しました。
豆腐マイスターの工藤詩織さん、自然農法無の会の大島武生さんをお招きし、大豆の「食」と「農」について見て・聞いて・味わう体験型のSOYトークショーです。週末の夜にもかかわらず60名、満員御礼!でのスタートとなりました。

イベントのはじまり

会の冒頭では、一般社団法人 社会デザイン・ビジネスラボの三尾より、土壌データとAIを活用した大豆農業の持続可能な未来をつくる取り組み「ダイズ2.0」プロジェクトの全体像をご説明し、参加者のみなさまと目線合わせをしました。今回のイベントがどういった経緯で生まれたのか、SOY Mag.が目指すものは何かをお伝えしたところで、いよいよ登壇者おふたりのトークへ。

工藤詩織さん「豆腐のはなし」

最初のトークは、豆腐マイスターの工藤さんから。幼少期から大豆食品中心の食生活を送っていたこと、お世話になっていた豆腐屋さんの廃業、大学院で日本語教育を学ぶなかで「食文化としての豆腐」の魅力に目覚め豆腐マイスターの資格を取得した経緯をお話いただきました。

豆腐といえば「白くて四角いもの」というイメージを持たれている方も多いかもしれません。しかし地域によって、その形も加工の仕方も大きく異なります。鳥取の「とうふちくわ」、梅酢や味噌に漬け込んだ豆腐、燻製した豆腐。江戸時代の料理本『豆腐百珍』には100種以上の豆腐料理が記されており、豆腐がいかに日本人の食文化に深く根ざしてきたかが伝わります。地域ごとの違いが生まれる背景には、気候や水、そしてその土地で穫れる大豆の品種の違いがあると工藤さんは語ります。参加者のみなさまも、目を丸くしながら聞き入っていました。

大島武生さん「農のはなし」

続いて、自然農法無の会の大島さんより活動紹介をいただきました。

無の会は福島県会津美里町に位置する有機農家で、無農薬・無化学肥料で約17haの水田と5haの畑を営んでいます。江戸時代に書かれた「会津農書」と現代科学の知見を重ね合わせながら、堆肥を軸にした循環型の自然農法を探求されています。

会津盆地は寒暖差が大きく、夏は暑く冬はマイナス10度以下になることも。この寒暖差が大豆の甘みを引き出すといいます。また会津は冬に雪が積もる土地柄から発酵食品で冬を乗り切る文化があり、味噌も納豆も自ら仕込む一貫した生産を続けています。

自然農法の難しさについても正直に語ってくださいました。「土ができるまでに3年、5年はかかる」。草との戦いは毎日続き、収量が慣行農法の半分しか穫れない年もある。それでも土の状態や気温、雨の降り方を読みながら毎年堆肥量を調整し、「年によって大豆の味が変わる。そこがおもしろい」と笑顔で話されていたのが印象的でした。

なお、この夜のお米・味噌・納豆はすべて無の会のものをご用意いただきました。

SOYすぎる夕食会

  • おにぎり
  • 大豆ミートを使ったお味噌汁
  • 納豆/豆腐3種(すぼとうふ・武皮包み、固豆腐、香り豆の豆腐)
  • 揚げ
  • からだ美人茶(大豆使用)

おにぎり以外はすべて大豆製品という構成で、普段の食卓ではなかなか出会えない豆腐も並びました。テーブルのあちこちから「この豆腐、どうやってできてるんですか?」と工藤さんへの質問が飛び交い、にぎやかな夕食会となりました。料理はあっという間に完食。おにぎりもお味噌汁もおかわりの声が続き、お鍋の底が見えるほどになりました。

SOYトークショー

夕食の後、工藤さん・大島さん・MCの三尾によるトークショーへ。テーマは「大豆をつくる人と、豆腐をつくる人が出会ったら、どんな景色が見えるか」です。

工藤さんからは、地域ごとの豆腐の違いがなぜ生まれるのかを改めて深く解説いただきました。にがりの打ち方、温度管理、気候と土地の個性が重なって、それぞれの食文化が形成されてきたと。大島さんからは、会津の寒暖差と大豆の甘みの関係、発酵食品と冬の暮らしについてお話いただきました。「朝4時に起きて草刈りをします」という言葉には、会場から「おお〜」とざわめきが起きていました。

話題はやがて、街の豆腐屋の現状へ。大手メーカーによる価格競争、後継者問題により廃業が続いているという現実が語られました。「地産地消がなぜ広まらないのか」という問いに対して、大島さんはこう答えました。「地元だけで回すと流通量が限られ、若い世代が入ってこない。設備投資も難しい。いくら良いサイクルでも、じり貧になってしまう」。

だからこそ、都市の消費者と地方の生産者・加工屋をつなぐ仕組みをつくっていきたい。SOY Mag.はそのために生まれました。会場からの質問にお答えした後、次回イベントとSOY Mag.サポーターの募集についてご案内し、プログラムを締めくくりました。

プログラム終了後は交流タイムへ。無の会さんの豆腐・味噌の販売コーナーや、SOY Mag.が開発したソイバー・ソイスナックの配布には人だかりができ、あちこちで会話が弾んでいました。気づけばなかなかお開きにならない、名残惜しい夜になりました。

次回のまめとひとは「味噌」をテーマにお届けする予定です。またイベントでお会いできることを楽しみにしています。みなさん、これからも一緒にSOYしていきましょう!

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