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【開催報告】
森との距離を縮める企業たち
~自然資本経営を実践の場から~
2026年8月28日、一般社団法人社会デザイン・ビジネスラボと住友商事 MIRAI LAB PALETTEの共催により、「森との距離を縮める企業たち ~自然資本経営を実践の場から~」を開催しました。
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私たちのビジネスや暮らしは、森林をはじめとする自然資本と密接に結びついています。一方で、企業が自然との関係をどのように捉え、具体的な事業や活動につなげていくかは、いま多くの組織にとって重要なテーマとなっています。
本イベントでは、都市緑地の運営、企業と連携した森づくり、森林リジェネレーション、海外での森林再生など、それぞれの現場で活動する実践者が登壇しました。前半のパネルディスカッションでは、企業が森や自然と関わる際の実例や課題、今後の可能性を掘り下げました。後半は、森林再生と社会デザイン・ビジネスをテーマに対話を行い、自然資本を起点とした新たな価値や連携のあり方について考えました。

当日プログラム
| プログラム | 概要 |
|---|---|
| オープニング | 本イベントの趣旨と、自然資本経営をめぐる社会・企業の動向を共有しました。 |
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パネルディスカッション① 「都市と森と企業をつなぐ」 |
東京建物株式会社、青葉組株式会社、株式会社モリジェネの実践をもとに、 都市と地域、企業と森をつなぐ取り組みについて議論しました。 |
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パネルディスカッション② 「森林再生と社会デザイン・ビジネス」 |
一般社団法人Hidamariと一般社団法人社会デザイン・ビジネスラボが、 森林再生の現場と社会デザインの視点から、 自然資本とビジネス、地域社会の新たな可能性について語り合いました。 |
| クロージング/交流会 | 当日の議論を振り返った後、登壇者と参加者、参加者同士が交流し、 情報交換を行うネットワーキングの時間を設けました。 |
パネルディスカッション①「都市と森と企業をつなぐ」

東京建物株式会社/ビルマネジメント第一部 課長代理 髙橋 優希さん
青葉組株式会社/代表取締役 中井 照太郎さん
株式会社モリジェネ/取締役 大多和 明さん
パネルディスカッションに先立ち、3名の登壇者から、それぞれの立場で取り組む森づくりについてご紹介いただきました。
髙橋さんからは、大手町タワーの足元に約3,600㎡の「大手町の森」を整備した取り組みをご紹介いただきました。 計画地に近い環境を別の土地に再現し、3年間育成した森を移植する「プレフォレスト工法」や、 郷土種を中心に「疎密・異齢・混交」を意識した森づくりにより、都市を再生しながら自然環境の再生を目指しています。 開業後も動植物のモニタリングを続けるほか、森で過ごす「FIKA」、マーケットイベント「森の市」、 都市の森が働く人のウェルビーイングに与える効果を検証する「都市の森ラボ」など、森を活用した取り組みを展開しています。
中井さんからは、林業に適さず放置されてきた伐採跡地や放置林を引き受け、自然再生につなげる事業をご紹介いただきました。 東日本を中心に活動し、スキー場跡地や岩手県大船渡市の山火事跡地の再生にも取り組んでいます。 森林所有者に費用負担を求めるのではなく、脱炭素、ネイチャーポジティブ、水リスク対策、花粉対策などの成果を求める企業や自治体が資金を拠出する仕組みが特徴です。 企業との共創事例として、卓球用品メーカーのブランドシンボルであるチョウを起点に、生物多様性の回復を目指す森づくりも紹介されました。
大多和さんからは、森に人が関わるほど生態系が回復し、人々の心や暮らしも豊かになる価値循環の仕組みを目指す「リビングフォレスト構想」をご紹介いただきました。 実践フィールドである埼玉県横瀬町の「森側 MORIGAWA」では、駅から徒歩圏内に“小さな原生林”をつくり、 地域住民や企業などが森と継続的に関わる「モリの関係人口」の形成に取り組んでいます。 また、企業・研究機関と連携し、水の浸み込みやすさや大地の状態などのデータを蓄積・可視化することで、 企業が森に関わる理由や具体的な関わり方を形にする試みも進めています。
- 「人と自然の距離」のリアルとは?
- 企業として、森の取り組みを評価してもらうためには?
- 都市と地方、企業の関わりから、どのような可能性が生まれそうか?
登壇者からは、イベントを開催すると多くの方に参加いただけるようになった一方で、企業がこうした活動を評価し、継続的な支援につなげる動きは、まだ十分に広がっていないとの意見が挙がりました。
また、これまでどおりの日常やビジネスを維持していくためにも、森林環境の変化に対して一人ひとりが危機意識と当事者意識を持つことが重要だと語られました。
そのためには、イベントなどを通じてつながりを広げるだけでなく、花粉や水、身近な商品など、暮らしに直結する話題を入り口に、森と自分との関係を実感してもらうことが大切だと述べられました。
パネルディスカッション②「森林再生と社会デザイン・ビジネス」


一般社団法人Hidamari/代表理事 村田 里穂さん
立教大学 名誉教授/一般社団法人社会デザイン・ビジネスラボ 代表理事 中村 陽一さん
パネルディスカッションに先立ち、一般社団法人Hidamari代表理事の村田さんから、 活動を始めた経緯や現在の取り組みについてご紹介いただきました。
村田さんは、インドネシア・スマトラ島を訪れた際、 パーム油の生産に伴う森林破壊の現状を目の当たりにしたことをきっかけに、 森林再生に取り組むようになりました。 現地で解決策を探るなかで出会ったのが、 樹木を育てながら、その周囲で多様な作物を栽培する「アグロフォレストリー」です。 この農法により、森林を再生すると同時に、農家の収入を確保することができます。
日本では、アグロフォレストリーで育てられた香辛料を使用した クラフトコーラ「森のコーラ」を展開しています。 「森のコーラ」を4本購入するごとに、約1本の木の再生につながる仕組みを通じて、 商品を選ぶという身近な行動から森林再生に参加できる機会をつくっています。
中村さんは、社会課題の解決に向けて声を上げることについて、
以前と比べて周囲から協力を得やすく、声を上げやすい社会へと変化していると述べました。
そのうえで、村田さんの活動が多くの応援を集めている理由を尋ねました。
村田さんは、まずは目の前の活動に一生懸命取り組むこと、
そして活動の現状をありのまま伝え、
失敗も隠さず共有しながら前に進む姿勢が、
現在のつながりや応援につながっていると振り返りました。
最後に、森林を守ることは一見すると大きな課題に感じられるものの、
一人ひとりの小さな行動や成功体験の積み重ねが、
社会をより良い方向へ動かす力になると締めくくりました。
おわりに
今回のイベントでは、都市の緑地づくり、森林の再生、企業や地域との共創、そして商品を通じた参加の仕組みなど、森との距離を縮める多様な実践に触れました。森林を守り、育てることは、森に関わる人だけの課題ではありません。
まずは身近な取り組みを知り、自分や自社との接点を考え、小さくても行動に移していくことが、自然と共生する社会への一歩になります。
本イベントが、森や自然資本と自分たちの暮らし・事業とのつながりを捉え直し、次の行動を考えるきっかけとなれば幸いです
社会デザイン・ビジネスラボからのお知らせ
一般社団法人社会デザイン・ビジネスラボは、個人・企業・社会をつなぎ、社会課題の解決と新たなビジネスの創出を目指して活動しています。社会課題を知り、対話し、実践につなげる参加型イベントや、企業・地域・個人が協働するプロジェクトを随時実施しています。
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