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ブルーブラックマガジンより
【前編】青森における地域づくりの可能性

2022年10月28日に青森市産官学連携プラットフォームが主催する「社会デザイン・ビジネスラボ in 青森」のイベントへ一般社団法人 社会デザイン・ビジネスラボも協力し開催しましたが、深刻な人口減少、中心市街地の活力減退、郊外化の進展にともなう除雪対策の負担増など、さまざま地域課題を抱える青森市では、「社会デザイン」の発想による新たなまちづくりが始まっています。

青森商工会議所は、立教大学社会デザイン研究所との連携のもと、人財育成塾「雪花雪中塾(せっかせっちゅうじゅく)」を2021年に立ち上げました。セミナーを中心とする第1期(2021年9月~2022年3月、全6回)を終え、まちづくり現場でのフィールドワークなども盛り込んだ第2期へと進む中、その運営メンバーが集まり、これまでの成果や活動の意義を語り合いました。運営メンバーには、SDBL理事の西 秀記氏、アドバイザーの山崎 宇充氏が参加しています。
その内容について、一般社団法人 社会デザイン・ビジネスラボの代表理事である中村 陽一氏が連載中のウェブマガジン「ブルーブラックマガジン」(運営:株式会社ブルーブラックカンパニー)へ掲載されておりますので、前編をご紹介します。

別ページにて後編もご紹介しておりますのでぜひご覧ください。

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https://blueblackmagazine.jp/

問題ではなく「課題」を抽出して考え抜く
――正解なき「まちづくり」の世界で「最適解」を導き出すプロセスを体験

【左上】西秀記氏(青森商工会議所副会頭、西衡器製作所 代表取締役社長)
【右上】山崎宇充氏(立教大学社会デザイン研究所研究員、アクションカンパニー株式会社 代表取締役、雪花雪中塾コーディネーター)
【左下】竹中恵理氏(青森中央学院大学職員、雪花雪中塾メンバー)
【右下】中村陽一(司会/株式会社ブルーブラックカンパニー代表、立教大学名誉教授、雪花雪中塾塾頭)

雪の中で味わいを増すりんごのように
――「雪花雪中塾」という名に込めた思い

中村 青森商工会議所ならびに青森市中心市街地活性化協議会と、立教大学社会デザイン研究所との間で包括的連携協定が締結されたのは2017年のことです。その後、約3年間の準備期間を経て、2020年7月に青森地域産学連携懇談会事業「社会デザインで挑む地域課題の解決と新ビジネスの創出」キックオフセミナーが開催され、社会デザイン発想に基づく地域活性化事業が本格始動しました。

 その第1弾として取り組んでいるのが、本日お集まりの皆さんとご一緒に取り組みを進めている人財育成塾「雪花雪中塾」です。青森のまちに、多様な担い手によるサードプレイスをはじめとした場をさらに形成し、人・場・組織のゆるやかなネットワーキングを通じて、活気ある事業活動が継続的に生まれるプロセスを生み出していければという思いから「人財育成塾」というスタイルをとったわけです。

 初年度はどうしても座学にウエイトを置かざるを得なかった面がありますが、第2期を迎えた今年度は、浅虫(あさむし)温泉エリアで進行中の社会実験プロジェクトでのフィールドワークやワークショップを行い、より実践的な取り組みが進んでいます。今日はこうした「雪花雪中塾」におけるこれまでの取り組みを振り返りながら、青森における地域おこしの可能性について、ざっくばらんに意見交換していきたいと思っています。では、まず西さんから順に自己紹介をお願いできますでしょうか。

西(敬称略、以下同) 青森商工会議所の副会頭として、まちづくりを担当しております。主たる事業内容は、まちのにぎわい創出や再開発事業などへの協力や支援ですが、国が「まち・ひと・しごと創生」という言葉を使っているように、まちと人と仕事は密接な関係がありますよね。ですから、結果的にそのすべてに関わらなくてはいけないという状況ですが、実は商工会議所自体が、まさに「まち・ひと・しごと」づくりを100年以上前からずっとやってきた組織です。そういう視点でまちづくりを進めていく中で中村先生ともお知り合いになり、今こうして社会デザインの切り口で、まちづくり、人を育てるということを考えているところです。

山崎 私のキャリアはITとメディアが中心です。今年の6月まではテレビ局の役員を3年ほど務めていたのですが、その前に10数年、地方創生や地域活性化などの案件で、さまざまな地方と契約し、新しい地域活性化のプログラムやイベントを開発してきました。そういった経験から、立教大学社会デザイン研究所でも、地方の未来について研究を続けています。特に地方の人口減少が加速する中、これからの地方がより豊かに、幸せになるためには人口補完としてデジタルトランスフォーメーション(DX)の技術を導入していくことが必要ではないか。それが現在の研究テーマです。

竹中 私は青森中央学院大学の事務局として、地域連携課というところに所属しています。ここで仕事をするようになって5年ぐらい経ちますが、普段は産官学民連携の事業や、学生をフィールドに連れ出して、自治体や地域企業との連携プロジェクトなどを主に担当しています。実は前職はコミュニティFMのアナウンサー兼何でも屋みたいなことをやっておりまして、番組編集もするし生放送のアナウンサーもするしという毎日でした。今の仕事とはだいぶ毛色が違いますが、地域づくりという点では共通しているのかなと自分の中で思っています。

 普段は大学の中におりますが、越境することが大好きで、また、まちづくり、人づくり、組織づくりというところに興味がありますので、仕事以外でも国際交流や多文化共生に関する活動に参加していたり、地域の人と一緒にまちづくりに取り組んだりしています。

中村 ありがとうございます。雪花雪中塾の具体的な取り組みへと話を進める前に、まず青森という地域の現状と課題について、西さんからお話しいただけますでしょうか。

西 青森でいま一番大きな課題は、やはり人口減少という問題です。これは全国どこでも同じ傾向にありますが、青森は特に深刻で、急激な勢いで人口減少が進んでいます。2020年の国勢調査における県人口は約124万人ですが、前回の2015年調査より5%以上減り、減少率は過去最大となっています。

 その理由としては、少子高齢化の進展に加えて、平均寿命が男女ともに全国で最下位の「短命県」ということもありますし、県外に人が流れてしまうことでの社会減も相当影響しています。高校までは青森にいても、東京の大学に行ったりしてそのまま就職し、そのうちの何割かしか戻ってこない。そういう理由がいくつも折り重なって、人口減少の勢いが止まらないというのが今の状況です。

 それから、青森市の特徴としては非常に雪が多い。一説では15万人以上の都市としては世界で一番、降雪量の多い都市だと言われています。雪が降れば当然、除雪をしなくてはいけません。青森市では、除雪業者は翌朝までにすべての道路の除雪を完了する契約になっているので、夜中にバンバン除雪作業をしています。一方で、郊外を開発して道路がどんどんできていくと、除雪の総延長も同時に伸びていきますので、まちをこれ以上スプロール化させていったらもうもたないところまで来ています。

雪の青森市内

西 そこで、30年以上前の青森市長が「コンパクトシティ構想」を立ち上げ、都市機能をもう少しコンパクトにまとめるための施策を打ち出しました。この施策は、必ずしもすべてがうまく進んだわけではなかったのですが、私は非常に正しい方針だったと考えていますし、今後もそういうまちづくりを展開していく必要があると思っています。

 同時に、若い人たちの県外流出を食い止め、青森に長く住んでもらうためには、やはり仕事がなくてはならない。それには就職口を増やすというのも一つの選択肢ですが、自分で起業をしようという人たちをなるべく支援していきたいと思っていまして、商工会議所としては経済的な支援をするだけではなく、学ぶ機会をつくっていきたい。そんな思いから、まずは人財育成に取り組もうということで「雪花雪中塾」が生まれたという流れです。

中村 人口減少という非常に大きな課題と直面して、青森商工会議所の皆さんはいろいろと知恵を絞りながらまちづくりに取り組んでこられたわけですが、人財育成の場をつくろうという話を西さんとしている中で、頭にすぐ浮かんだのが、立教大学社会デザイン研究所でともに活動していた山崎宇充さんだったのです。お忙しい方なのですが、ご相談したところ、ご快諾いただきまして、雪花雪中塾がスタートしたという次第です。私は形式上、塾頭を仰せつかっていますが、実際のところは山崎さんがコーディネーターとして切り盛りをしてくださっているので、この雪花雪中塾という場でどんなことを目指していきたいかというあたりを伺えたらと思います。

山崎 先ほどの自己紹介でも申し上げましたように、私は地方との関わり合いが比較的深く、コロナ禍以前は年間100回ぐらい飛行機に乗って日本各地の地域活性化に携わっていました。山口県萩市の「萩ブランド再構築プロジェクト」もそのひとつなのですが、現地へ足繁く通う中、吉田松陰にすごく気持ちが揺さぶられるようになったのです。

 ご承知の通り、吉田松陰は萩市ゆかりの幕末の志士で、彼が開いた松下村塾は私塾でありながら、明治維新の原動力となる人財を数多く輩出しました。吉田松陰に関する書籍を何冊も読んでみると、新しい時代を創り出すことへのモチベーションの高さと、類い希なる行動力に圧倒されます。やはり人を育ててこそ、地域の新しい物語や革命が起こるのではないかと感じていたものですから、青森での取り組みも「塾」という名前のもとで始めてみようと思ったわけです。

中村 当時はもちろんそういう言葉はありませんが、「松下村塾が実践したことは、まさに社会デザインだね」と、山崎さんと語り合ったことを思い出します。同じ萩市にあった藩校の「明倫館」ではなく、身分を問わずに広く門戸を開放した松下村塾が明治維新というイノベーションを牽引したことには、まさに多様性の底力を感じます。また、吉田松陰が座右の銘としていた「知行合一」は実践知を重視していたことの表れですし、「志を立てて、もって万事の源となす」という名言は、いま注目されているパーパス経営にも通じる発想ですね。

山崎 そんなイメージを重ねながら、青森での人財育成塾のコンセプトを固めていったわけです。塾の名前については、地域の特徴と結びつけることでインパクトのあるものにしたいと考え、やはり青森といえば雪ではないか、と。先ほど西副会頭からもお話がありましたように、除雪という切実な課題もあるのですが、雪の結晶を顕微鏡で見たら花のように見えます。それになぞらえれば、青森の人たちにフォーカスしてクローズアップしていったら、華のある素晴らしい人たちに出会えるのではないか。また、雪の中にリンゴやニンジンを入れると甘くなるという話を聞き、「雪花」と「雪中」という2つの言葉をつなげてみました。

西 雪室りんごや雪下にんじんが厳しい環境下でより味わいを増すという特徴に重ね、今は隠れて見えない地域の人財や産物、資源を、塾を通して見出したいという思いにぴったりで、とてもいいネーミングだなと思いました。シンボルマークは花の形をした雪の結晶にしましたが、これには地域の努力の結晶という意味も込めています。

雪花雪中塾ロゴマーク
第1期では、組織、関係人口、オムニチャネル、DXなど、今後の地方創生、地域活性化に必要と思われる事項を講義した。

山崎 年齢や役割、立場を気にせず、誰でも参加できる開かれた場にしていこうということで雪花雪中塾がスタートし、ちょうど今、1年が経過したところです。基本的なスタンスとして最初にお伝えしたのは、問題と課題という一見似たような言葉の違いをきちんと定義する必要があるということです。問題というのは解決しない限り、その問題は終わらない。それに対して課題というのは、まず課題を抽出するという部分が重要で、そこを起点にして物事に取り組む。その際には課題として挙げられた項目をどういう形で実現していくかを考えてプランを立て、ロードマップをつくり、大勢の人の力で未来に向けて取り組んでいく。そう考えると、問題解決より課題解決の方が前向きですよね。問題というふうに位置づけてしてしまうと堂々巡りになりやすいのですが、課題としてとらえることで、少なくとも現状より良くしようという考え方になります。

 同時に、塾生の一人ひとりが、他人ごとから自分ごとへと物事のとらえ方を変えていくことをめざし、地域課題をぶつけて、その課題解決の経験をしてもらう。問題抽出ではなく、課題抽出をしてもらうことで、物事を前向きにとらえ、どう取り組んだらうまくいくのかを考える。そういう組み立てで、まず学ぶことから始めるカリキュラムにしています。

 人財育成という観点からの具体的目標についても、何人育てようとか、たくさん人が集まったから良い塾だという考え方ではなく、そこに残った人たちのやる気、継続できるようにすることが大事だと考えています。その人たちが自分の身の回りにある課題を少しでも自分ごととしてとらえ、継続的に取り組んでいくことをひとつの目的として運営しているところです。

浅虫温泉活性化の社会実験に参画
――現在進行中のプロジェクトで実践力を磨く

中村 今お話しいただいたような場として、雪花雪中塾は現在2期目に入っていますが、ご自身でも地域課題に取り組まれている竹中さんは、雪花雪中塾のメンバーであると同時に、現在所属しておられる青森中央学院大学の学生さんたちの参加をサポートされています。大学事務局という立場からご覧になり、雪花雪中塾へ参加している学生さんたちの様子をどうご覧になっているか、課題や今後の方向性も含めてお話しいただけますでしょうか。

竹中 本学からは昨年、今年と4-5名くらいの学生が雪花雪中塾に参加させていただいています。その様子を見ながら、雪花雪中塾に参加することが学生や大学にとってどういう影響があるのかを考えた時に、まず学生にとっては県内や県外の社会人の方々とつながる貴重な機会をいただくことで、越境学習の場としてすごくいい経験になっていると思います。本学は県内出身の学生が多いのですが、個人的に思うのは、普通に授業を受けてサークル活動をしている限りでは、青森の地域課題に深く入り込む機会は意外と少ないように感じているんですね。もちろん、授業ではいろいろ学ぶ機会があるのですが、そこから自分で課題を選び取って、そこに対して何かアクションしてみることができているかというと、なかなかそういうチャンスはないのかな、と。雪花雪中塾はそういう実践ができる場になっているので、学生にとっては授業の中では学べないことが学べる時間になっているのではないかと思います。

 その結果、雪花雪中塾に参加することで、学生が大きく成長していることを感じます。1年間通して参加した学生を見ていると、始まりと終わりとでは自分の考えを述べる力や、それを基にして自分のアイディアなどをアウトプットして行動していく力が大きく成長しています。成長の速度も速いのですが、こうした傾向はビジネスアイディアコンテストなど雪花雪中塾以外の場にも共通していて、課題解決型の学習に参加している学生の特徴だと思います。

 大学としてというところで考えますと、雪花雪中塾は産官学民のプラットフォームとして、それをきちんと体現した活動が展開されている点が素晴らしいと感じています。ただの枠組み組織ではなくて、実例にもなっているということですよね。

 本学もこういうプロジェクトで学生に協力してほしいとか、学生と一緒に商品開発をしたいとか、いろんな相談をいただくのですが、結構単発で終わってしまうことが多いんですね。もちろん、地域に根ざした活動に参加させていただくこと自体、大きな意義がありますが、雪花雪中塾はイベントに1回参加して終わりということではなく、継続的に参加することができ、なおかつ実践にもつなげられます。そういう場はこれまでなかなかありませんでしたので、大きな魅力になっていると思います。

山崎 雪花雪中塾は、実践することと同じくらい、とことん考えることを大事にしています。それぞれの考え方が正しいか間違っているかというところで思考停止してしまったら、考えの奥行きが狭いままですので、今まで自分の頭にあった以上のことを考える。いくつかお題を出して「それは違うよ」と誰も言わないまま考え続けてもらうことで、自分の頭の中が大きく膨らみ、それがイメージとして残っていくと思うんですよね。

 社会デザインというのはデザインという言葉がキーで、知識や経験以上にアイディアが重要です。どんなアプローチが正しいかは問わないまま、まずデザインを描いて、それがやれる範囲なのかどうかで仕分ければ、実現に向けたロードマップ、プラン、マイルストーンという形でデザインが定着していくと思うんですよね。ですから、若い人たちがもしこの場で成長したと感じられるのであれば大変ありがたいし、そのやり方をすすめられたことが非常に大きいのではないでしょうか。

中村 よく言われることですが、地域課題に正解はありません。でも、自分も大昔を思い出すとそうなんですが、学生さんはどうしてもどこかに正解があって、それを知識として受け取るという考え方になりがちです。そう考えると、竹中さんに言っていただいたように、雪花雪中塾に参加している学生さんは、多様なバックグラウンドを持つ人たちとともに、まさに正解のない世界で最適解を導き出していくプロセスを体験できる。それはやはり貴重な学びになるはずです。

 雪花雪中塾という場で起きている変化は他にも挙げられると思うのですが、その前に、この2022年春から夏にかけて取り組んだ「浅虫温泉活性化社会実験プロジェクト」について振り返ってみたいと思います。浅虫温泉の地域事情も含めて、まず西さんからご紹介いただけますでしょうか。

西 青森市の北東部にある浅虫温泉は、陸奥湾に面した歴史ある名湯です。青森駅から車で約30分とアクセスも良好で、かつては「東北の熱海」「青森の奥座敷」とも呼ばれる人気の温泉地でした。

 ところが少子高齢化や人口減少の影響もあり、ピーク時に40軒以上あった温泉旅館は現在10軒以下となってしまいました。中心部が空洞化し、活気が失われてしまった浅虫地区ににぎわいを取り戻そうと、約5年前から旅館の若手経営者や地元銀行などによる地域活性化のプラットフォームが結成され、さらには地元住民らによるまちおこし応援団「浅虫がっちゃんこ」が動き出しました。地元住民が住み続けたいと思える地域、青森県民が週末にふらっと訪れたくなる浅虫、観光客と地元住民がともに楽しめる地域を目指し、浅虫に関わる人と人、組織と組織をつなぎながら、浅虫の活動を応援する取り組みを展開し始めたのです。今では「月末マルシェ」や「パンとコーヒーまつり」、「あさむしマラソン」などが開かれるようになり、また、新しい飲食店ができたり移住者が増えたりと、少しずつ活気を取り戻しています。

 そうしたなか、浅虫温泉観光協会による社会実験「浅虫温泉活性化プロジェクト」が今年初めて企画・運営されることになりました。これは浅虫を「週末にちょっと行こうか!」と思う場所にするため、さまざまなチャレンジを行うことで、楽しめるコンテンツを増やしていくプロジェクトです。具体的には「買物が楽しい」「アートが楽しい」「アクティビティが楽しい」の3つをキーワードとするモデルプランを実施し、そこに雪花雪中塾がプログラムの一環として参加して、ともに検証を行うという組み立てです。

浅虫温泉全景

中村 浅虫温泉活性化の社会実験プロジェクトは全4回のプログラムで、第2回のフィールドワークは午前が浅虫地区の見どころやマルシェをめぐるまちあるき、午後が3つのコースに分かれてのアクティビティでしたね。コース別のフィールドワークは、私は久慈良餅(くじらもち)づくりを楽しませていただいたのですが、まちあるきもとても面白かったです。

浅虫高野山八十八ヶ所石仏願掛めぐり(山歩き)コース
くじらもち製作体験コース

中村 参加型のまちあるきをしながら感じたのは、さまざまなタイプの方が混ざり合うことの良さといいますか、地元の方にとっては日々の当たり前の風景が違って見えたり、こういったところがあったのかと発見したりするきっかけにもなります。生活者の視点を持った定住人口、観光で訪れる交流人口、そして近年よく言われるようになった関係人口の視点、こういういろいろな属性、背景を持った人が一緒に歩くことを通じて、地域とその人の関係、参加した人同士の関係性を編み直し、活かしていくきっかけとなり、ただ歩くというだけではない意味合いが生まれるわけですね。そのことで「行ってよかったね」という満足感が高まりますし、社会デザイン発想による課題解決にもつながっていきます。

フィールドワークの後、第3回、第4回とじっくり時間をかけて振り返りを行ったのもよかったですね。お子さん連れや外国人などさまざまな立場の方が参加され、施設利用やプログラム内容などが多角的な視点から検証されました。こうした意見交換を度重ねていくことで、まちづくりの重要な情報が集積されていくのではと、改めて感じた次第です。(2022年11月2日、青森商工会議所会議室にて収録)
後編に続く》

転載元

【前編】青森における地域づくりの可能性

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